年金・医療・介護などの諸課題解決に向けて

4回シニア運動の定期総会開催される

 2009年5月23曰(土)午後3時から、神高教シニア運動の定期総会が高校教育会館第2・第3会議室で開かれた。2009年3月に退職した新たな仲間を加えての総会で、例年より多い20名ほどが参加した。
  古座野郁子さんを議長に選出後、役員代表挨拶で地代所達也さんが今年度で750名ほどの会員数となったことを報告、続いて来賓として曰退教(日本退職教職員協議会の略称、日教組の退職教職員の全国組織)事務局長の西澤清さんが挨拶された。ご自身の食道がんの手術で100万円の支払いを求められたが、私たちが要求して作らせた2007年度からの高額療養費給付金制度に助けられた体験談を話された。現在、低所得者層には所得税からの給付金をつけさせる要求をしているとのことである。
  2008年度活動報告と決算報告を事務局長の中野渡強志さんが行い了承された。続いて2009年度の運動方針案が中野渡さんから提案され、質疑討論が行われた。現職者との交流を神高教教研集会を手始めに行ったらどうか、神高教が提案している非正規労働者支援基金に基づいて非正規労働者の生活保護申請への同行サポーターの養成講座を開催している、退職者の再任用・非常勤講師の就職・労働実態の把握と改善への取り組みができないか、などの意見が出された。その後運動方針案は原案通り可決され、2009年度予算案について了承された。
  2009年度役員補充については、神高教執行委員長を2008年3月に退任された竹田邦明さんを役員に加え、日退教に派遣することになった。また新たに2009年3月退職された佐々木新一さんと赤坂耕志さんを役員に加えることになり役員は12名体制となった。最後に定期総会宣言が読み上げられ採択された。終了間際に、神高教執行委員長の園部守さんが分会代表者会議の終了とともに駆けつけられ来賓挨拶をしていただいた。その後の懇親会では恒例の近況報告をお一人ずつしていただき、盛り上がりったところで午後6時に散会した。

  

神高教シニア運動    2009年度 運動方針

1.組織拡大・充実、組織体制の整備を目指す。
(1)既退職者への加入の働きかけを行う。
(2)事務局体制の整備をはかり、教宣活動に取り組む。
(3)会運営資金をまかなうため、会員の任意のカンパ活動を行う。
2.神高教・上部団体の活動方針を踏まえて諸活動に取り組む。
(1)憲法改悪反対、平和・人権・民主主義などの課題に取り組む。
(2)年金・医療・介護などの諸課題解決に向けて取組む。
  ・後期高齢者医療制度の廃止を目指す。
  ・年金からの天引き、自己負担の引き上げ、被扶養者からの保険料徴収阻止を目指す。
(3)神奈川の教育問題など諸課題解決に向けて取り組む。
(4)曰退教(日教組退職者会)・神奈川シニア連合(県内労働組合退職者会)などと共に諸課題に取り組む。
(5)現職者への支援活動を検討し、可能なことから具体化をすすめる。
(6)再任用者の実態を把握し、労働条件等の改善について神高教とともに取り組む。
(7)次世代を担う若者の運動を支援する。
  当面「高校生平和大使」の運動に協力する。
(8)地方自治、市民運動を担う取り組みを推進する。
   当面「労働相談支援員(同行サポーター)」の養成などに参加する。
3.「シニア運動」の活動交流を進める。
(1)神高教の活動に可能なところから積極的に参加し、現役世代との交流を深める。
(2)ホームページの利用や活動報告会等の開催で会員同士の交流を深める。
  

第4回 定期総会宣言

 私たちは本日ここに第4回定期総会を開催し、これからの運動の方向を確立し引き続き活動を展開することを確認しました。
 郵政民営化に象徴されるように小泉・竹中路線による構造改革は私たちの生活を脅かし、年金・医療・介護などの高齢者社会保障制度の劣悪さは高齢者に多大な痛みを与えています。特に「後期高齢者医療制度」は高齢者の尊厳を著しく傷つけ、世代間の対立をいたずらにあおるものです。自らの生活と未来のシニアに人間らしい生活を保障するため「後期高齢者医療制度」の廃止、少子高齢化を見据えたあるべき医療制度の実現を目指して声を大きくしてゆかなくてはなりません。
 昨年9月15曰のリーマン・ブラザーズの破綻を機に世界の経済は崩壊現象が続いており、曰本の大手製造業をはじめとして多くの企業がすさまじい数の首切りを断行しています。年末年始の大量の派遣切り・期間工切りがおこなわれる中で、昨年末よりの年越し派遣村はマスコミも大きく取り上げることになりました。「規制緩和」のもとに労働者派遣法の適用拡大による非正規労働者の大量出現により格差社会が深く進行しています。 東アフリカのソマリア沖で起きている海賊事件に対応するため、曰本政府は自衛隊を派遣しました。名古屋高裁は自衛隊のイラク派遣を憲法違反と認定しました。今こそ憲法9条を守り生かす運動を展開する必要があります。−方憲法「改正」のための手続きを定めた国民投票法の施行まで1年余です。そして憲法「改正」へひた走ろうとする動きは教育にも大きな影響を与えています。 私たちは'06年に神高教シニア運動を立ち上げ、この3年間は教育基本法改悪反対や福祉制度改悪反対などの運動に積極的に参加してまいりました。残念ながら'47教育基本法は'06年12月に改悪が強行されました。その後、すでに教育三法改悪、教育再生会議や懇談会の報告、学習指導要領改訂など改悪教育が進行し、やがて憲法をも否定する状況になりかねません。引き続き'47教育基本法の精神を忘れず、平和・人権・民主主義の曰本国憲法の理念を実現する教育として持続させるために、運動を継続していく必要があります。
学校現場からは苦悩する教職員の悲鳴にも近い叫びが聞こえてきています。学区撤廃・入試改革・学校再編が実施され、新しい職制の導入・差別賃金・教師評価の影響が高校現場をじわじわと締め付けています。「改革」に追いまくられ、教職員・生徒の活き活きとした活動がからめとられつつあります。若者達の将来を明るいものにするためにも私たちの取り組みが期待されています。
 子や孫に希望の持てる社会を残すために、友好諸団体と協力し現役を支援する運動を強化し、新しく加わった仲間とともに引き続き運動を続けましょう。

 2009年5月23

神奈川県高等学校教職員組合シニア運動

            第4回定期総会

 会員の今

 第4回定期総会に寄せられたご意見・ご感想です。

志(2009.3
 大きな声をあげないと何事も対応してもらえない時代の当事者:シニアになりました。

     功(2005.3
  ボランティア活動などを通して、楽しく過ごしています。

  文(2009.3
 退職して1ケ月。いろいろな手続きがあって惑うことも。退職者向けの説明会を退職直後にもできませんか。
年金・健康保険・高校生命共済・高校年金(それに、シニア運動も)など。

 古座野 子(1999.3
 昨年の会報「会員の今」にとりあげていただいた一文が、シニア運動のホームページを通して、旧担任(渡辺雅夫先生)の消息を探していた教え子たちの目にとまり、お墓参りに行くことができたという手紙を頂きました。私は故人を偲び書いた文でしたが、思わぬ反響に驚き感謝しています。

  太(2005.3  
 ともいきやオールアライブは「ピンポンカラオケ水族館」を新装「快展開」中です。

   名(2005.3
 非常勤講師を続けています。下からの意見の吸い上げがなく、一方通行になりつつある現場に失望しています。これでは、神奈川の高校教育はよくなりません。

  美(2008.3
 何時もお世話さまです。退職して2年目をむかえますが、この1年は何もかも早く過ぎてしまいました。第2の人生を今年は「人のために何ができるのか」ゆっくり考える年にしたいと思います。

 醍醐   実(2004.3
 再任用者の権利が守られていないような気がします。経験豊かな先生方を大事にしなければならない。 

  登美雄(2005.3
 今年度は、週1日6時間の講師をしています。横須賀は、6月28曰に市長選挙。「原子力空母ノー!」で中心的に活躍した弁護士を当選させなくては…。  9条を守る会、料理づくり、草むしり等々忙しい曰々です。

  邦(2004.3
 君が代不起立個人情報保護裁判の世話人をしています。この閉塞した反動の時代を打ち破るために、少しでも力になればと思います。

  敏(2008.3
御苦労様です。

  鶴(2007.3
 当曰は居合道の演武会のため欠席します。就職活動をしています。そういう活動や支援をしてほしいと思います。

  則(2008.3
 ノーベル賞の益川氏が「私を先生と呼ぶな」は痛快。ルーツは故坂田昌一名大教授の権威に無縁な自由闊達な教室の雰囲気と、湯川秀樹氏とともに原子物理学者の良心としての平和希求の姿勢にあろう。「学校の会社化」「神奈川の東京化」のすすむ中“小役人”的責任逃れが横行する現況に対し、10μの虫にも5μの魂で、47教育基本法・現憲法の精神をシニアは伝導しよう。

  之(2008.3
 静岡にいます。ハローワークに通って仕事、パートですが、を捜していますが、もっと切実な若い人たちが多く、半ば「まあいいか」という気分です。

  宏(2002.3
町内会の役員をやっておりまして、5月23日は町会の総会が開かれるので出席できません。

  信(2009.3
 今後ともよろしくおねがいいたします。

  子(2006.3
 退職して3年、シニア運動の役員を目引き受けて3年になります。シニア全体を動かすような大きな運動にはなかなかなりませんが、小さな事からコツコツと積み上げていきたいと思います。どんどんアイデアをお寄せ下さい。

  百合子(2007.3
 私は現在の状況で暮らしは充分やっていけます。長い闘いの成果と思っています。比べて非正規の若 者の将来を心配しています。私たちの年配にも自分の息子・娘のために働いている方もおります。教育現場に多くの若者の正規雇用が生まれることを期待しています。今回の景気対策がマンパワーの充実ではなく、電動黒板・コンピューターの配置にガッカリです。

  俊(2007.3
 定年退職して3年目を迎え、浪人生活に専心しています。学生時代の不勉強を取り戻すため午前中は読書、午後は犬の散歩と家事手伝い、そして母の介護に費やしています。シニア運動で皆さんにお会いするのが楽しみです。

義(2004.3
 小学6年の受験生の家庭教師をやっています。方程式が使えないことと、分数の面倒な計算が多いなどの難儀もあります。それはともかく、学校や塾の成績と学力と実力のちがいのことが少し気になっているこの頃です。

 綿 友(2007.3
 退職して3年目になります。現職の教員からさまざまな悲鳴が聞こえてきます。それに対してどう対応するか、シニア運動の真価が問われているように思います。長年に培った経験を今こそ、現場に生かすよう考え、行動する時です。

 

会員からのお知らせ

「たまり場・結い(仮称)」が横浜西口に誕生

神奈川労働相談ネットワーク事務局長 横 山  滋(2004.3) 

 6月18日、衆議院議員会館で緊急院内集会があった。生活保護の母子加算が廃止(3月)されたことに対し、その復活と改正(父子家庭にも支給など)を求め、全野党議員も参加し、合国会での実現を目指す集会だった。
集会で、4人の当事者がそれぞれ、・保護世帯への厳しい視線(怠け者とか社会のお荷物など)に抗し、必死に働き生きようとしている厳しい生活現状を報告。この生活に、現在の日本の「政治社会の貧困」があぶり出されていると思いました。「健康で文化的な生活保障」を実現することは、人間らしい働き方を求め、理不尽な待遇や評価や権利侵害に対して、NO!と言えるために欠かせないことです。              神奈川高教組が大きな役割を果たしている非正規労働者支援基金を活用して、派遣労働者が解雇撤回を求める労働審判申請が相次いでいます。スタンレー電気(自車部品・液晶部品メーカー)で働く18名の南米労働者(神奈川シティユニオン組合員)が集団訴訟を起こせたのも、「支援基金」と「生活保護」活用があったからでした。弱い立場にある非正規労働者を勇気づけ、闘いに立ち上がることを支えることは、正規労働者の権利や労働条件向上に結びつくものです。働くものの社会的絆と信頼、連帯を強めることが、若者・高校生たちに希望を提起するものだと思います。
 この6月、シニア運動会員も参加し、地域の労働組合・ユニオンと協働して「労働・生活・住居相談サポーター養成講座」が始まりました。横浜西□(県民センター近く)に、相談者との面談場所であり、地域のユニオンとの交流の場所として「たまり場」を開設しました。様々な「出会い」と人と人の絆を結ぶ場所として活用して欲しいと思います。

事務局長に竹田氏

日退教総会が開催される

 曰教組の退職者組織である曰本退職教職員協議会(略称:曰退教)の第38回総会が6月10曰に全国からの104名の代議員(神高教シニア運動は2名)によって曰本教育会館で開催された。@生活・社会保障・税制をめぐるとりくみ、A平和と教育を守るとりくみ、B曰退教組織の強化拡大のとりくみ等について活発な議論が展開された。 今総会で役員改選があり、新しく事務局次長に神高教シニア運動の竹田邦明さんが推薦され、承認された。


 日退教関東地区

定期大会が開催される

 2009年5月13曰(水)午後1時から、曰退教の関東地区連絡協議会の第31回定期総会に参加しました。各都県が輪番で議長を勤めていて今年度は干葉県が担当ということだが、会場は新宿の「ラポール曰教済」で開催された。
 曰退教事務局長の西澤清氏の挨拶では、民主党の小沢一郎代表が辞任した直後でもあり、もっぱら9月までの総選挙で政権交代を果たすため、「金も力もないが知識はある」私たちで頑張ろうと訴えられた。
 2008年度活動報告、決算報告のあと、2009年度の活動方針、予算案の提案と採決が行われ、原案が承認された。「総選挙に勝利し、憲法改悪・教育制度改悪を阻止し、平和と民主主義を守ろう」などのスローガンが採択された。
 その後、関東地区囲碁大会について、総会と研修会をドッキングさせたらどうかという東京都から提案があった。総会後、懇親会が行われお開きとなった。80歳を超える「超先輩」方が元気に活動されている姿に接して、60歳はまだまだ「現役」なのだという感を強くした。(三橋正俊)

  

★☆★★☆★

 主夫業をやってます

綿 友(2007・相模原高校)

 早いもので、退職して3年目に入ったが、たまに会う人から、「最近、若返ったね」とか「顔の色つやがいいね」などと言われることがある。それがたとえお世辞であったとしても、悪い気はしないものだ。
  57歳で異動し、最後の2年間はクラス担任をやり、当校創立以来初の沖縄修学旅行にもチャレンジした。家族は、ボクがゴール(定年)手前で倒れるのではないかと気をもんでいたようだ。「○○高校のケネディになる」(そのオチは、「教壇(凶弾)で倒れる」)などと、得意のギャグを飛ばしていた。自分では鏡も見ないから気がつかなかったが、きっと顔色も良くなかったかも知れない。
  退職にあたって、「卒業論文」を書こうと思い立ち、新採用時代に5年間、在職した技術高校の問題について、研究所の所報『ねざす』に投稿した。いざ書き始めると、筆( Cを使ったから、本当は指かな?)が止まらなくなり、3年がかりとなってしまった。
  現在、高校教育制度と自治史研究会(研究会を年に数回開催。08年3月、『管理運営規則と学校自治』を刊行。目下の研究テーマは情報公開や個人情報保護)の事務局ということで、月に2回(おもに火曜日)教育会館に出て、元技高職員や卒業生などから聞いた話をまとめたり、研究会の実務処理などにあたっていろ。技高問題の聞き取りは2年がかりだが、なかなか作業がはかどらず、焦っている。また、県民図書室内には貴重な高校教育関係の資料があるので、時間が許せばそれらの整理や紹介などもやってみたいとの思いもあるが、そこまで手が回らないでいる。
  57の手習い」と自称しているが、57才のとき、ワープロから PCに切り替え、ケータイメー ルをやり始めた。さらに退職に際して、元同僚の手ほどきで個人ブログ「わだちやん通信」(2〜 3曰おきに更新)を始め、ここでダジヤレの自己研鎖に努めている。
  IT革命のおかげで、メールによる「スクールカウンセラー」(?)もどきのこともやっている。「組合を辞めたい」などといったメールも飛び込んで来たことがあったが、その時は「何を おっしゃる兎さん」(もちろん、こういう言い方は使わないが)とばかり、説得に努め、思い止まらせた。また、愚痴めいたメールが送られてくることもあるが、なるべく早めに返信メールを送り、激励している。多忙のためか、愚痴を言い合う関係が、今の現場には少なくなっているのかもしれない。修学旅行の事前学習などに関する相談もあった。ボクの決めゼリフは、「したたかに、しなやかに」である。
最近でこそあまり聞かれなくなったが、退職直後は「今、何をしているのですか?」とよく尋ねられた。今も基本的な生活スタイルは同じだが、ボクの本業は「主夫業」。炊事と掃除に取り組むから、「2時(すいじとそうじで、2じ)の男」である。いや、洗濯やゴミ出し等も毎曰欠かさずにやっているから、「2時半の男」かな。
「主婦業」にも「定年制」が必要かもしれない(退職金はないが)とふと思い、主婦(妻)に代わって主夫(ボク)が家事労働に当たることにした。なにしろ現役時代には、家庭を顧みず好き勝手なことばかりをしてきたから、その罪滅ぼしのつもりでもあるのだ。
 ある先輩の勧めもあって、退職後すぐに料理本を購入した。その料理本とにらめっこしながら、夕食のおかずづくりに取り組むこともある。要領がよくないせいか、2時間は台所で立ちっ放しとなる。「明曰の授業、どうしようか?」ではなく、「今晩のメニュー、どうする?」などと、教材研究ではなく食材研究の毎日だ。主夫が「作るひと」になったので、後片付けは、台所の一線ら「退職」した元主婦がおもに担当するようになった。
 主夫は翌朝も早い(平曰は4〜5時起床)から、先に寝かせてもらうことにしている(「ワガママなワガパパ」かな?)
 「奥さま、お先にシツレン(失恋)、いや間違えた。シツレイしま〜す!」(笑)