3回定期総会開催 人間らしい生活を保障するために

代表に地代所達也さん

神高教シニア運動第3回定期総会は
2008年5月24曰(土)午後3時より高校教育会館会議室で開催されました。総会議長に井関茂明(08茅ヶ崎・定)さんを選出し、中野渡強志代表の主催者挨拶に続き、議事に入りました。議事の途中で来賓として神高教園部守委員長の挨拶をいただきました。(この曰は神高教の分会代表者会議があったため分代終了後に来ていただきました)2008年度運動方針および2008年度会計予算については、原案通り可決しました。
 また、役員任期の改選年にあたり代表に地代所達也さんを、副代表に三橋正俊さんを、事務局長に中野渡強志さんを、幹事に08年3月に退職した井関茂明さんと林三郎さんを選出し、新しい体制で出発することになりました。 最後に大会宣言を確認し総会を終了、その後の懇親退職後の近況報告などを話しながら17時30分頃に散会しました。

 
2008年度役員体制
 
    表:地代所
  表:三
 事務局長:中野渡
    事:横          山
          平       
          井     林  
 監  査:藤     山

 
2008年度予算

収入の部
                 収      
  前年度から繰り越し   612,313
              621,000    207人分
  会員負担金(カンパ)   80,000
               10,000
               30,000    利息等
                 1,353,313
 
支出の部
 
  頂  目      支          備
  活       600,000     図書券、会報、通信費、総会
  事務局費      200,000     事務局旅費・行動費
  分        80,000     曰退教、神奈川シニア連合
  そ          50,000            ホームページ等
                  423,313
     合  計     1,353,313


2008年度 運動方針

1.私たちを取り巻く'肩勢
(省略)
.具体的取組
(1)組織拡大・充実、組織体制の整備を目指す。
 @既退職者への加入の働きかけを行う。
 A事務局体制の整備をはかり、教宣活動に取組む。
 B会運営資金をまかなうため、会員の任意のカンパ活動を行う。
(2)神高教・上部団体の活動方針を踏まえて諸活動に取り組む。
  @憲法改悪反対、子ども・現場を重視する教育実現などに取組む。
  A年金・医療・介護などの諸課題解決に向けて取組む。
   ・後期高齢者医療制度の廃止を目指す。
   ・年金からの天引き、自己負担の引き上げ、被扶養者からの保険料徴収阻止を目指す。
 B神奈川の教育問題など諸課題解決に向けて取組む。
  C日教組退職者会・連合神奈川退職者会などと共に諸課題に取り組む。
  D現職者への支援活動を検討し可能な所から具体化をする。
  E次世代を担う若者の運動を支援する。
   当面「高校生平和大使」の運動に協力する。
  F地方自治、市民運動を担うことを目指し検討を始める。
3)「シニア運動」活動交流を進める。
  @神高教の活動に可能なところから積極的に参加し現役世代との交流を深める。
   分会教研への参加、相談会の開催などを検討する。
  A「シニア運動」HPを利用した交流を深める。
  B「シニア運動」活動報告会開催を検討する 

第3回 定期総会宣言

私たちは本日ここに第3回定期総会を開催し、これからの運動の方向を確認し元気に活動を展開することを確認しました。
 2006年教育基本法が「改正」され、2007年6月には「教育関連三法案」が成立しました。副校長の新設・教育委員会の権限強化・免許法の更新制など「教育改革」が、いよいよ実働しようとしています。−方、戦後教育を否定し、憲法「改正」へひた走ろうとする動きに対して、安倍内閣の崩壊、更には、「憲法九条の会」の盛り上がり、“沖縄集団自決”裁判の勝訴、“イラク空自派遣”の違憲判決など草の根の運動の広がりによりその流れに抗する動きが強められてきました。しかし国会内では改憲勢力が多数であることに変わりなく私たちは“自らに真がある”を信じて運動を継続せねばなりません。
 学区撤廃・入試改革・学校再編が実施され、新しい職制の導入・差別賃金・教師評価の影響が高校現場をじわじわと締め付けています。「改革」に追いまくられ、教職員・生徒の活き活きとした活動がからめとられつつあります。若者達の将来を明るいものにするためにも私たちの取り組みが期待されています。
各種控除の廃止・引き下げによる年金課税の強化、健康保険の自己負担率の増加など、近年の税や医療制度の改悪は、私たちシニアの生活をじわじわと圧迫し、現役世代の将来をも暗くしています。特に「後期高齢者医療制度」は高齢者の尊厳を著しく傷つけ、世代間の対立を徒にあおるものです。自らの生活と未来のシニアに人間らしい生活を保障するため「後期高齢者医療制度」の廃止、少子高齢化を見据えたあるべき医療制度の実現を目指して声を大きくしてゆかなくてはなりません。  私たちは一昨年5月27曰神高教シニア運動を立ち上げ、教育基本法改悪反対や福祉制度改悪反対などの運動に積極的に参加してまいりました。子や孫に希望の持てる社会を残すために、友好諸団体と協力し現役を支援する運動を強化します、新しく加わった仲間とともに楽しみながら息長く運動を続けましょう。

             2008年5月24 

    神奈川県高等学校教職員組合
           シニア運動第3回定期総会

 


「高校生平和大使」にカンパ

「次代を担う若い人々への支援を目指し当面 『高校生平和大使』運動を支援してゆきます」という運動方針に基づき昨年はそのためのカンパ活動をおこない、46人で87,500円のカンパをいただき2007年度会計からの支出とあわせて10万円を今年度の派遣高校生に手渡しました。

 

「憲法理念の教育基本法の会」

      設立に向けて

−−− 37回日退教総会開催される -------

 曰退教37(08)定期総会が、代議員総数103(神高教シニア運動は1名)で6月18日()ラポール曰教済で開催されました。 今総会で「憲法理念の教育基本法の会」をたちあげることを決定しました。私たちは「'47教育基本法」の改悪を阻止する運動を展開しましたが、残念ながら06年12月に改悪が強行されました。私たちの熱い思いを、国民の大きな流れとして持続し発展させ、「'47教育基本法」の精神を忘れず、平和・人権・民主主義の日本国憲法の理念を実現する教育として持続させるためにためです。今後、曰教組や教育総研そして退女教などと一層意思統一を深めることになりました。

  

立て、団塊の世代!

  6月11曰梅雨の晴れ問、私は国会に向かった。「後期高齢者制度に怒っている会」主催の集会に参加するためである。地下鉄から地上に出ると、歩道には延々と幟とゼッケンを着けた人の列があった。衆議院の面会所前で曰退教のグループに合流。衆議院議員会館前で集会が始まり、民主党の菅直人、社民党の福島瑞穂らが演説。なぜ高齢者を75歳で切り捨てるのかという怒りの声が相次いだ。福島氏の「衆議院のねじれ解消」の訴えには思わず拍手。団塊の世代がシニアの隊列に加わり、世直しが始まる期待が生まれた。

               (三橋 正俊)

 

会員の今

第3回定期総会に寄せられたご意見・ご感想です 

  一(2008.3
  教員の本来の仕事一教え育むこと−からかけはなれた業務(その最たるものが観点別評価)をすみやかに廃止し神奈川を教育県にしたい。夢をもって就職した新採用の方が昨年は何人退職したのでしょうか。

一(2008.3
  職場(教育現場)の民主化が急務かと思いますが 

規(2008.3
  「学校が会社のようになってしまったので…」「日の丸強制は…」などの言とともに尊敬できる人々が早期退職してしまう現況。「学校の会社化」「神奈川の東京化」…に柔軟かつ実効性のある対応を創造できないと… 吉永小百合の「母べえ」の時代に戻ってしまう。いや、もう戻っている。曰暮れてからの夜道の一人歩きは難しい。人々は闇夜ではイエスを知らないと言い夜明けになるとイエスを語る。
 
明(2008.3
  3月末をもって神高教本部役員を退任しました。本部28年間、皆さんと一緒に運動できたことに感謝しています。今後もまた、楽しく運動できればと思います。よろしく
 
則(2008.3
  体調がイマイチですので今回は欠席します。そろそろシニアが多数派となる時代。体を動かしていかねばと思います。 

司(2008.3
 100万人署名が'懐かしい。合も盛んに署名が回って来るがこんなお手軽なことが効果があるか疑問。聖火を守る中国人留学生のパワーがうらやましかった程。署名より「ガソリン値上げ反対」「卒業式起立強制反対」などやはり自分の時間と身体を使って社会に向けてプラカードを高く掲げる必要があると思う。
 
   修(2008.3
  教育には、ゆとりや余裕がどうしても必要です。しかし、教員の自主性や創意工夫を踏みにじる形式的な押しつけがますます強まっています。退職をしたものの、教育のこれからが気がかりです。 
  みち子(2008.3
  再任用期間が終了しましたらできるだけ協力したいと考えています。よろしく。

   章(2008.3
  5月連休明けから、北海道・東北へ1ケ月以上のバイクの旅に出ます。しばらくの間、そんな旅をいくつかしながら、「自由」な生活をしてみようかと目論んでいるのでありますが…。
 
  都(2008.3
  うつ病による療休から勧奨で退職した。「心の病」について療休者のネットワークを構築する必要を痛感している。
 
  紀(2008.3
  後期高齢者医療制度によって75歳以上の高齢者の保険料負担が急激に引き上げられると聞いています。制度廃止のために頑張って欲しい。
 
三(2007.3
  曰頃より通信にていろいろご連絡頂きありがとうございます。“改革”の名による弱者からの収奪の政治に国民も少しずつでありますが気が付き始めているようで、我々老人(?)のこれからの発言・行動の影響力は大きなものになりますね。
 
  司(2007.3
  学生運動鎮圧以降、言々と進められた「曰本国」を下支えする国民作りという愚民政策、そこには人間性を育てることも社会正義も育むことも巧妙に除外されて来ていました。その政策的圧力から逃れるために退職と同時に教育活動から逃げ出した自分です。
  やり残したことを棚上げにしたまま、房主に納まっています。
  「湘南癒やし工房」という手作り工房を立ち上げて1年経ちました。
 http://scn-net. easymyweb. jp/member/user-id/ です。 

  川 洋 子(2007.3
  退職後、アルバイトなどするとあらためて「組合」に守られていたことを実感します。 

  田欣子(2006.3
   相模女子大学「消費者問題論」を担当し、食物学科学生さんと交流するのが楽しみです。 

行(2006.3
   活動報告など心強く読ませて戴いております。若干のカンパなど、できる限りの応援を致します。ありがとうございます。
  恵(2005.3
 世の中の変化についていけません。
 
登美雄(2005.3
  いつもありがとうございます。憲法改悪の動きや後期 高齢者医療制度等、平和も福祉も労|動問題もますますひどくなっていますネ。シニアに結集できていませんが、 地元でバリバリやっています。歳をとっているヒマなし生活です。 

   忠(2005.3

  体調をこわして以来、静かな生活を続けています。 曰々の活動に参加できないことを残念に思っています。 

也(2004.3
  沖縄ショップの仕事があるので、動二や催しのご案内. をいただいても、なかなか参加できません。店の経営が軌道にのって人が雇えるようになったら、店を抜け出して積極的にシニア運動に関わりたいと思います。 

   実(2004.3
  教育も政治も大変なことになっていると思います。我 らも発言していきたいです。 

(2004.3
  この度の選挙によって、政治を国民のために動かす糸□が得られているように思います。
  この流れを力にして、憲法改悪と養育の管理主義化を阻止していきたいものです。
  政治も教育もその主体は国民であるはずだからです。 

   滋(2004.3
  当日、ユニオンよこはまの定期総会があり、3時開会に少し遅れるかも知れません。
 よろしくお願いします。

人(2003.3
  藤沢市の小学校で、市教委の依頼で日系3世を中心とする外国籍児童に対する曰本語獲得支援活動の手伝いをしていますが、考えされること大です。南米移民の孫たちです。
 
宏(2002.3
  プリンスホテルによる日教組への会場提供拒否問題や映画「靖国」に対する国会議員による事前検閲とそれによる映画館の上映中止問題など、思想・言論・表現の自由に対する侵害行為に危惧の念を抱いています。「日の丸」「君が代」問題の延長線上にある問題だと思いますが、社会的に大きな問題になっていないことも心配です。 

古座野 子(19998
 2007年度シニア運動の定期総会で司会をして下さった渡辺雅夫さんがこの3月に突然亡くなられ茫然自失。尾瀬の自然をこよなく愛し、私たちにとっては山歩きの会のリーダーでした。「生物」が専門ではないかと思われるほど草・花・木・鳥などの知識を深く広く説明を受けながらの山行は楽しみでした。自然保護にも尽力されていました。ご冥福を祈ります。 



会員からの発言

                                        老いの戯れ言

   喬(20003・逗子) 

私は2000年に退職した元組合員です。退職後も専攻した日本史を生かして社会教育に関わっています。曰本の地震の歴史を題材にして何回か話しました。そして地震の恐ろしさや自然の力の強大さを強く感じました。もし原子力空母が、地震や大津波、ビルマを襲った大ハリケーンのような台風により、岸壁や他の艦船と激突したり座礁したりして、損傷を受け、放射能がまき散らされるようなことになったら、どうゆう惨事になるのでしょうか。原子力空母の横須賀母港化には、戦争への恐怖だけでなく、地震などによる原子炉事故の恐ろしさを思います。
5月11日、横須賀のヴェルニー公園で行われた、「原子力空母母港化の是非と安全性を求める住民投票条例の市議会採択を求める首都圏アクション「住民投票でゲンキ」集会に参加しました。今はどの組織にも入っていないので、神高教の旗を見つけ、パレード(かってはデモ行進といっていました)では一緒に歩かせてもらいました。寂しかったのは、旗のもとに執行部2名と横三地区以外の組合員1名の計3名しかいなかったことです。その数は都高教の人数より少なかったのです。曰頃の激務の疲れから、休曰の動員参加はとても無理という状況に現職の方々が追い込まれているのでしょうか。
  1960年代に教員に採用された時、第二組合の勢力の強い職場に配属され、校長室で私は第二組合に入らされました。神高教の集会などに参加するには隠れての参加で、当然動員費などはありませんでした。自腹を切ってもの思いが強かったのです。第二組合を脱退して神高教に加盟できた時はとてもうれしく思いました。それ以来動員などの活動にはなるべく応じるように心掛けて来ました。かつて新任の分会員を組合以外の研究会に誘った時、そこへ行くといくら貰えますかと聞かれて、びっくりしたことがありました。自分のための学習なら、自分の金を出すのは当然だと私は思っていたのですから。現在でも、神高教の関わる5月3曰・11月3曰の憲法集会などにはなるべく参加して勉強させていただくようにしています。組合員ではありませんから、当然動員費はありません。でも幸に組合を通じて教職員共済の年金に入っていたので、カミさんに小遣いを貰わなくても、集会の参加費や交通費くらいはその年金で賄えます。70歳になると高校年金も入ってくる予定です。そういう面でも組合入っていてよかったと思えます。
 絶滅期高齢者がよけいなことを書きましたが、管理体制狂化などの困難な職場の状況のなかで、体を壊すことなどないよう、現職の皆様方の奮闘を期待しています。



★☆★★☆★

ことばをこえる思いを

小山邦久(04・磯子工業)

先曰、総会に出席した折「会報に書いてみない。」と声をかけられ、稚拙な文章、現在のまとまりのない考えに躊躇しながらも引き受けてしま いました。
年齢がいってからの喘息がひどくなり、体調を崩して早期退職しました。在職中から老人問題(認知症)、発達障害、不登校・引きこもり、在曰・外国人などマイノリティーの問題に関心があり、この際いくつかの課題についてゆっくり考えようという気持ちもありました。
老人介護の世界で精力的に活動している三好春樹という理学療法士がいます。在職中からその著作を読みあさっていました。(この人の経歴が面白い。学生運動で高校中退したあと職を転々としている中で偶然老人ホームに入り、老人介護にのめり込んでいったという。)「オムツはずし学会」という運動をおこし、病院での不必要な強制的安静看護が寝たきりを引き起こすとして痛烈に批判しています。
三好さんの「関係障害論」という著書の中で浜田寿美男という発達心理学者が紹介されていますが、「私とは何か」「発達心理学者再考のための序説」「意味から言葉へ」等々読み進んでいくとこれが面白い。ハマってしまいました。これまでの心理学を批判的に検討しながら相互主体的な人間関係を基点にした子どもの発達の説明は平明で小説を読み進むような面白さがあります。子どもの育ちはピアジェの説くような固体能力論だけで説明されるべきではなく、他者との主体のやりとりの中で「内なる他者」が育まれることで説明しようとしています。
  浜田さんの学習会に参加するなどして、発達障害とりわけ自閉症に関する理解を深めることができました。(氏は強制された自白による冤罪事件に関しても発言しているのでその方面でご存知の方も多いのでは。)
  今、発達障害を中心にして関連書物をあたっていますが、独習では観念的でひとりよがりになりそうなので、精神障害者や認知症の人を抱える家族の会や精神科医の講演会に参加したり、たまに引きこもりの青年のフリースペースにお邪魔したりして、当事者と接する機会を増やそうとしています。現在、特別支援学校(養護学校)で発達障害の子どもに接することを活動の中心に考えています。
いずれにしても頭の中で考えた類型で人と接するのではなく、共感的にふれ合う(寄りそう)こ とにより、情動の部分(ことばをこえる思いとでも言うべきか)での交流が肝心だなと実感しています。
少し関わってみると障害者と健常者の間にデジタルに切れる境界はなどないように思えてきます。つながっている人間として見ることにより、障害者に対する社会のまなざしが豊かになることを願っています。 

*浜田氏 三好氏の著作はそれぞれミネルヴァ書房、雲母書房から主に出版されています。ぜひご一読を。西洋の近代的自我一辺倒の考え方に介護の現場からの問題提起もされています。