第7回定期総会

シニア運動第7回定期総会なごやかに開催

 5月26日(土)、高校教育会館で多くの参加者を得て第7回定期総会が開かれました。 開会の挨拶で、シニア運動代表の地代所さんは、「シニア運動が創設7年目を迎えた今年、会員が1、100名を超えて、世情が困難な中でも積極的に活動していきたい」と意気込みを述べられた。

 来賓挨拶で、日退協(日教組退職者会)事務局次長の竹田さんは、「日退協は62組織からなるが、他県は個別加入方式のため組織化に苦労している。また闘いの柱は、脱原発、沖縄、社会保障、男女共生の4つである」と話された。

 神高教委員長の園部さんは、自身あと2年で定年退職だといい、政府の方針が定年延長から再任用制度に変わってしまったことに触れ「原則は定年延長の追求だが、当面、新しい再任用制度の確立に取り組む」と述べられた。

議事は、高橋さん(2009年退職)を議長に選出。

(1) 2011年度の活動報告と2012年度の活動方針が、事務局長の中野渡さんから提案され、

 ○原発の再稼働に反対する。

 ○東日本大震災で被災した子供たちを支援する。

の2点が補充・強化されるなど活発な意見交換のもと決定された。

(2)2011年度会計決算と2012年度予算は幹事の平瀬さんから提案され、加入者(退職者)の増加により神高教からの支援金もふえて、しっかりと活動を支えていくとの内容で承認・決定された。

(3)代表の地代所さんから「特別な事情がなく、3年以上会員継続の意思表明がない場合は、会員資格を失う」という規約改正提案があり、決定された。

 その後、副代表の三橋さんが定期総会宣言を提案し、総意で採択してすべての議事を終了した。

〈懇親会〉では、出席者の皆さんから、それぞれのこだわりのシニアライフについての話を伺い、会館の閉館時間までにぎやかに交流が行われました。


追記

議事のほかに2件の呼びかけと1件の資料配布がありました。

  「福島の子供支援活動への支援のお願い」

  「保土ヶ谷高校シックスクール裁判傍聴のお願い」

  「日退協通信 335」

                           赤 坂

2011年度の活動を振り返って
「3.11東日本大震災」および「福島第1原発事故」で日本はもとより世界を揺るがす出来事が、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしています。

大津波による被害の復興は本格化せず、原発事故による放射能汚染は収束の見通しは立たず、いまだに汚染は続いています。私たちは、昨年度の運動方針「反原発運動に取り組む」により様々な運動に取りくんできました。脱原発社会を実現するまで、引き続き運動を粘り強く展開していく必要があります。

 

1.組織拡大・充実、組織体制の整備をめざす取りくみについて

'11年度には186名の新会員を迎えて900余名の組織となっています。総会の出欠ハガキに寄せられた会員の声を会報に「会員の今」として掲載したり、「シニアライフ」コーナーなどで会員の活動を紹介してきました。

財政については、毎年行われてきたシニア運動運営カンパの要請を「日退教東日本大震災カンパ」に取りくんだために実施しませんでした。ただ、入会金の増額や保険(高校生命共済)事務費や損害保険(フジダナサービス)事務費などの交付を得ることができ、財政基盤の確立ができるようになってきました。

 

2.神高教・上部団体の活動方針を踏まえた諸活動への取りくみについて

1)憲法改悪反対、平和・人権・民主主義などの課題については、日本国憲法の基本精神である平和と民主主義の価値を大切にする視点から、憲法改悪への動きに抗してかながわ憲法フォーラム主催の「憲法を考える5.3集会」や「憲法を考える11.3県民集会」などに参加してきました。

また、反原発運動については「611さよなら原発!」の6万人集会や「919さようなら原発全国集会」 「原発いらない!311福島大集会」などに積極的に参加してきました。「脱原発を実現し、自然エネル ギー中心の社会 を求める1,000万人署名」については日退教の呼びかけに応じて取りくんできました 。今後、再稼働阻止・全 原発廃炉に向けて様々な運動を展開することが必要とされています。

 

2)年金・医療・介護の課題については前年度から引き続き取りくみました。地公四単産(自治労、日教組、都市交、全水道)と地方公務員退職者協議会(自治退、日退連、都市退連、全水道退、都退協)の主催する「914高齢者集会」(9/14)や新しい医療制度を早く作ることを求める「'11全国高齢者集会」(9/15)などに積極的に参加しました。

なお、昨年の高齢者集会は「がんばろう東日本!!脱原発社会を実現しよう!」のタイトルで開催されました。

こうした取りくみの中で、高齢期のくらしが心豊かで生き甲斐あるものにするために年金・介護・医療制度などの改善をはじめ、高齢者福祉の拡充と日本の社会保障制度の改善をめざして運動を進めることの重要性を確認することができました。

 

3)神奈川の教育問題や諸課題の取りくみについては、神高教第54次教研集会(10/29)や教育研究所・教育討論集会(11/19)などに参加し、現職組合員との討論に参加しました。また、横浜教科書採択問題については様々な集会に参加するとともに署名や駅頭チラシ配布などに取りくんできました。

 

4)日本退職教職員協議会(略称:日退教、事務局次長:竹田邦明氏)の第40回総会が69日に開催されました。冒頭、兼古会長から「今回の大震災で、原発が特に深刻で、今のところ収拾の見通しが立たない。被害拡大は虚構の『安全神話』が原因で、責任は自民党にある。脱原発をめざし、全て廃炉とする必要がある」などといった挨拶があり、最後に、「東日本・原発震災」、「普天間米軍基地」に関する特別決議が承認されました。

日退教は被災地域の退教に諸活動支援のためにカンパ活動を展開してきました。私たち神高教シニア運動も第二次集約に向けて取りくむためカンパを要請し、34名の会員から11万9千円のカンパが寄せられました。

関東地区連絡協議会の第33回定期総会(6/3)、「関東ブロック交流集会」(9/29)、五者(日教組・全国退女教・日退教・教職員共済生協・日本教職員相互共済会)合同学習会(10/12)、さらに組織活動交流集会(10/13)に参加し、他県の退職者組織と交流を深めました。

沖縄・八重山地区の「教科書採択問題」に対する国会要請や「沖縄と連帯する日退教第2次沖縄交流」に参加してきました。

また、県内の退職者労働組合で組織されている神奈川シニア連合(幹事:中野渡強志氏)の第21回定期総会(11/29)や研修旅行(10/2526)、さらに神奈川シニア集会(3/22)に参加するなど、県内労働組合の退職者組織との交流を図ってきました。

 

5)現職者への支援活動の取り組みについては、直接的な支援活動など引き続きの課題となっています。

 

6)再任用者などの取り組みについては、持ち時間についてガイドラインを堅持させることや特勤手当の不合理の是正などの課題について、県教委に働きかけるよう神高教執行部に申し入れするなど取り組んできました。また、現役神高教組合員を含めての交流会(11/19)で経験談を交えて問題点を確認してきました。今後、神高教とともに引き続きの課題として取りくむ必要があります。

 

7)「高校生平和大使」派遣運動への協力の取り組みについては、カンパ活動を中心に取りくみました。この運動は、'05年より長崎の市民団体が中心となって高校生を平和大使として国連欧州本部に派遣しているものです。神奈川では'06年から実行委員会を作り、「高校生平和大使」の派遣に取りくんできました。派遣者を中心とした高校生は「Peace Peace Peace」を組織し、「高校生一万人署名活動」や報告会を中心とした平和活動を継続しています。'11年度も赤松奈々(フェリス女学院)さんと古賀愛(松陽)さんが選ばれました。神高教シニア運動から「高校生平和大使・神奈川実行委員会」に10万円を寄付しました。

 

8)地方自治、市民運動を担うことをめざす取り組みについては、労働相談ネットワークの運動に参加してきました。なお、神奈川労働相談ネットワークは神高教、国労、自治労などの県内労組と労災職業病センター、神奈川ユニオン協議会などで構成されており、神高教シニア運動役員の横山滋さんが事務局長として活躍しています。

 また、県内の教育支援や東日本大震災の各種ボランティア組織やボランティア組織を紹介し、会報などで募集案内に取りくんできました。

 

 3.「シニア運動」活動交流を進める取り組みについて              

1)「かながわ中央メーデー」、「かながわ地域労働運動交流メーデー」さらに「神高教教研集会」など神高教の運動に可能なところから積極的に参加してきました。教育研究所神高教の活動に可能なところから積極的に参加し、現役世代との交流を深めてきました。

 

2)ホームページの積極的な利用を推進するために「掲示板」コーナーを開設しましたが、一部の会員のみの利用になっています。

また、第3回交流集会(11/12)は、初めて次年度退職予定者の現職神高教組合員を含めて開催しました。参加者20名全員で近況報告を兼ねて退職後の様々な生活スタイルについて話し合いするなど、会員の交流を図ってきました。

さらに、'12120日に開催された神高教ライフプランセミナーで、神高教シニア運動から「家計からみたあるシニアライフ」というテーマで報告し、参加者から好評を得ました。'12330日に開催された神高教退職者パーティーで「神高教シニア運動」への参加についてアピールしました。

 

2012年度の運動方針

 

  

1.組織拡大・充実、組織体制の整備をめざす。

(1)既退職者への加入の働きかけを行う。

(2)事務局体制の整備をはかり、会報発行など教宣活動に取り組む。

(3)運営資金をまかなうため、会員からの任意カンパ活動を行うとともに

   独自事業の検討をおこなう。

 

2.神高教・上部団体の活動方針を踏まえて諸活動に取り組む。

(1)憲法改悪反対、平和・人権・民主主義などの課題に取り組む。

   また、原発の再稼働を認めず、脱原発社会を実現するために様々な運動を展開する。

(2)年金・医療・介護などの諸課題解決に向けて取り組む。

   ・後期高齢者医療制度の廃止をめざす。

   ・年金年金特例水準(2.5%)削減をやめさせるとともに公的年金控除・老年者控除の復元を求める。

(3)神奈川の教育など諸課題の解決に向けて取り組むくむ。

(4)日退教(日教組退職者会)・神奈川シニア連合(県内労働組合退職者会)などとともに諸課題に取り組む。

(5)現職者への支援活動を検討し、可能なことから具体化をすすめる。

(6)再任用者等の実態を把握し、労働条件等の改善について神高教とともに取り組む。

(7)次世代を担う若者の運動を支援する。

   当面、「高校生平和大使」の運動に協力する。

(8)地方自治、市民運動を担う取り組みを推進する。

    「労働相談ネットワーク」の活動に参加するとともに外部のボランティア組織を紹介し、募集・派遣などコーディネイトする。

(9)東日本大震災で被災した小・中学生への支援を行う。

 

3.「シニア運動」活動交流を進める。

(1)神高教の活動に可能なところから積極的に参加し、現役世代との交流を深める。

(2)ホームぺージの利用や交流集会を開催し、会員同士の交流を深める。

(3)運動の活性化に向けて研究会や同好会を開設する。



 *赤字の部分は修正案によって可決されたもの
2011年度決算(案)
収入
項目 予算 決算 備考
繰越金 229,993 229,993
入会金 930,000 930,000 186人@5000
会員負担金(カンパ) 200,000 130,500 日退教大震災カンパ119,000        会館職員など 11,500
返戻金 10,000 20,720 日退教からの旅費
広告・事務経費 100,000 496,638 高校生活応援事務90,220               フジダナサービス406,418
その他 30,000 40,098 総会お祝い 40,000                      利息98                      
合計 1,499,993 1,847,949
支出
項目 予算 決算 備考
活動費 700,000 662,690 封筒・ハガキ56,760         会報等送料259,120               会報印刷代 139,800          総会・交流会 44,380            図書カード 60,000                 ホームページ 6,300         上部団体要請行動補助75,330 日退教関ブロ参加費21,000                 
事務局費 350,000 350,880 事務局旅費・行動費 350,880            
分担金 90,000 89,350 日退教 64,350                    日退教関ブロ 10,000                神奈川シニア連合 15,000
その他 130,000 301,730 高校生平和大使 100,000                日退教大震災カンパ 119,000                 パソコン代63,780         振り込み手数料3,950        金剛山チケット15,000
予備費 229,993 443,299 次年度へ繰り越し
合計 1,499,993 1,847,949
監査報告
通帳および会計書類を監査した結果間違いありません
2012.4.13 会計監査
2012年度予算
収入
項目 前年度決算 12年度 備考
前年度から繰り越し 229,993 443,299
支援金 930,000 1,110,000 222人@5,000
会員負担金(カンパ) 130,500 100,000
上部団体交付金 20,720 20,000
広告・事務経費 496,638 500,000
その他 40,098 40,000 利息等
合計 1,847,949 2,213,299
支出
項目 前年度決算 12年度 備考
活動費 662,690 900,000 封筒・ハガキ、 会報等送料、会報印刷代、、総会・交流会、図書カード、ホームページ、振り込み手数料等
事務局費 350,880 400,000 事務局旅費・行動費
分担金 89,350 90,000 日退教、日退教関ブロ、                  神奈川シニア連合
他団体・運動カンパ 100,000 100,000 高校生平和大使派遣補助等
その他 201,730 200,000
予備費 443,299 523,299
合計 1,847,949 2,213,299


第7回定期総会宣言

 私たちは本日ここに第7回定期総会を開催し、これからの運動の方向を確立し、引き続き活動を展開することを確認しました。

 2011年8月菅内閣退陣、9月野田政権が東日本大震災の復興と原発事故の収束を最重要課題と位置付けて発足した。「ねじれ国会」の下で自民・公明両党の衆院解散・総選挙を目論む政局優位の状況下、第三次・第四次補正予算と2012年度予算を成立させ、震災復興の諸事業が本格的にスタートした。ライフラインなど社会資本関連の復旧・復興は進展しているが、がれき処理の問題、東電の原発事故による原子炉の保全と廃炉問題、放射能汚染処理、原子力規制庁未発足など多くの課題を残している。エネルギー政策に関しては、5月6日に国内54基の原発すべてが運転停止したが、関西電力の大飯原発の運転再開をめぐって、「脱原発依存社会」への展望を欠いたまま迷走している。関西電力管内では、この夏の電力需要のピーク時には電力不足に追い込まれるとして政府は、原発再稼働を強行しようとしている。東京電力は燃料費の上昇を理由に、電気料金の値上げを申請して世論の反発を招いている。野田首相が次の世代に負担をかけないとして政治生命をかけるとしている「社会保障と税の一体改革」は、民主党内反対派の抵抗にあいながら2012年2月に閣議決定し、5月から国会での審議が始まった。少子高齢社会が今以上に進展する日本の将来を見据えて、保育・雇用・医療・介護・年金などの安定化のためと称して、財源を消費税に求め当面10%にあげるとしている。また普天間基地移転問題に政府は、5月15日に本土復帰40周年を迎えた沖縄振興への配慮を言明するも、展望のない辺野古移設計画に固執している。

 この5月にギリシャでEUが求める緊縮財政に反発した国民大衆の支持を受けて反緊縮財政派が躍進し、現政権の緊縮財政派が過半数を割る事態となり6月に再選挙となった。ギリシャのユーロ圏離脱ともなれば世界の金融市場はパニックに陥り日本への波及が懸念される。日本では2006年から6人もの首相が交代して「何も決められない政治」状況が現出している。小泉政権を前例として維新の会の躍進に見るようにポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭を危惧しなくてはなりません。折しも自民党は、4月に憲法改正案を発表したが、戦前回帰の憲法草案は国民主権・基本的人権・平和主義の原則を踏みにじるものである。現状の政治・経済・社会に不安や不満を抱える国民大衆の支持をバネに政権奪取を狙うかに見える。私たち神高教シニア運動は、ここに民主主義の危機を感じとり、現職の神高教組合員とともに、日退教・日教組や神奈川シニア連合・連合神奈川などと連携しつつ、粘り強く組織運動を進めていく決意を表明するものです。

 

2012年5月26

神奈川県高等学校教職員組合シニア運動 第7回定期総会