第10回定期総会
                                 シニア運動第10回記念総会開かれる

 2015年6月6日(土)、高校教育会館ホールに60人を超える会員が集まって、第10回記念総会が開催された。第1部は午後2時から定期総会、第2部は3時半から記念イベントとしてさんのコンサートが行われ、その後地下会議室に場所を移して第3部の懇親会が6時まで行われた。
 第1部の総会は赤坂さんの開会宣言に続いて上田さんを議長に選出。三橋代表の挨拶では、前日の衆院憲法審査会で3人の憲法学者が集団的自衛権を違憲とした発言を受け、安倍政権の「戦争法」ばかりでなく原発再稼働も辺野古基地移転もともに民意を無視したものであると、反対の声を上げ続けようと呼びかけた。来賓として日退教西澤会長は、国会議員が「戦争法」の審議をそれこそ命がけで取組んでいるのかと問いかけ、沖縄は今後の日本政治の環であるとして、辺野古での座り込み運動を続けるとともに各地の地方自治体が沖縄を支持する声を上げて欲しいと訴えた。神高教馬鳥委員長は、シニアの動員協力にお礼の言葉を述べ、来年夏の参院選後、安倍政権が憲法改正の国民投票を画策しているとして、神高教推薦候補への積極的な応援をお願いしたいと挨拶した。その後、これまでに役員を引退した地代所、横山、渡辺、佐々木さんの挨拶が続いた。
 総会は以下の議事に入った。「2014年度運動を振り返って」(中野渡さん)、「2014年度会計報告」(武田さん)、「会計監査報告」(藤見さん)、「2015年度運動方針」(中野渡さん)、「2015年度会計予算」(武田さん)が説明。「役員補充について」を早川さんが白井さんと上田さんを推薦すると提案した。討論では4人の会員から意見が出された。県教委の教科書採択介入などがある中で18歳選挙権が実現するが、私たちは主権者教育について学習する機会を持たなければならないと提案、受け入れられた。選挙権に止まらず18歳徴兵制の導入目論見が背後にある。政治への無関心層への働きかけをする必要がある。日本の人権状況を国連の勧告を参考に見直していく運動が必要であるとの意見が出された。最後に「定期総会宣言」を平瀬さんが読み上げ、拍手で採択された。
 10分間の休憩後、早川さんの司会で、李政美さんのコンサートが始まった。竹田裕美子さんのキーボードを伴奏に、ギターを抱えて自らの生い立ちを語りながら自作の歌を披露、後半は太鼓(チャンゴ)を打ちながら友人や故人の作詞した歌、また私たちに馴染みの深いアリラン3種類の歌を張りのある声で歌ってくれた。済州島で両親が結婚して日本に来て葛飾区で李政美さんが生まれ、若い頃は自分の故郷がどこか悩んだが、今は二つの故郷があると思っていると語った。音楽大学卒業後、南葛飾高校(定)で朝鮮語の教員として20年間教え様々な体験を重ねたという。語りも歌も大きな拍手で包まれ、私たちに感動を与えてくれた1時間だった。懇親会では永井さんの司会で、会員の方の自己紹介を聞きながら楽しく過ごし6時に散会した。      (三橋)
 

         2014年度の活動を振り返って
                                
 2015年10月から公立学校共済組合の年金と厚生年金が一元化されます。2015年9月までに決定した共済年金(65歳からの本来の年金)については現行の制度に基づいて支給されますが、10月1日以降に決定する共済年金は制度変更とともに「厚生年金」という名称になります。また、今年4月からの年金は前年比2.3%増となるはずでしたが、マクロスライド調整率(0.9%)と特例水準の解消(過去の物価下落時に年金を下げなかった分)を調整するため(0.5%引き下げられ)前年比0.9%増に抑えられることとなり、実質的に目減りとなります。
 第二次安倍内閣が発足して以降、安倍政権は「アメリカと一緒に海外で戦争する国づくり」を積極的にすすめてきました。「集団的自衛権」「憲法」「原発」「沖縄米軍基地」「特定秘密保護法」「TPP」「消費税増税」「社会保障」「雇用・労働法制」などの多数の課題を、民意に逆らい独裁的な方法で政策を進めています。それらは、私たちが取り組んできた運動と真っ向から対峙するものです。
 だまし討ち解散によって発足した第三次安倍政権でも、「文官統制」の削除(防衛省設置法)など自衛隊の役割強化、2015年前半までの日米ガイドライン再改定、第189通常国会での「戦争法」の改定や新たな制定を目指しており、「戦争への道」に拍車をかけています。
 私たちは憲法に違反する立法を制定させない取り組みを強化するとともに、「平和で安心して暮らせる社会」という私たちの願いと逆方向に進んでいる安倍政権に、はっきりと「NO!」を突きつける必要があります。
 引き続きねばり強い運動を展開していきましょう。

1.組織拡大・充実、組織体制の整備をめざす取り組みについて

 2014年度には238名の新会員を迎えて1,000名を超える組織となっています。
 「シニア会報」を年3回発行し、総会の出欠ハガキに寄せられた会員の声を会報に「会員の今」として掲載したり、「シニアライフ」コーナーなどで会員の様々な活動を紹介してきました。2012年3月に退職した会員に退職後の生活についてアンケートを実施しましたが、同内容で2014年3月に退職した会員に対してもアンケートを実施しました。
 財政については、従来から神高教からの支援金、会員からの運営カンパや高校生命共済・損害保険(フジダナサービス)事務手数料を充ててきました。昨年度から神高教指示に基づく行動への参加補助が加わり、財政基盤が充実してきました。

2.神高教・上部団体の活動方針を踏まえた諸活動への取り組みについて

(1)安倍政権は、昨年7月1日に集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更を閣議決定し、12月10日「特定秘密保護法」が施行されました。私たちは、安倍政権の「戦争する国づくり」路線に反対し、集団的自衛権行使容認の阻止をめざす「戦争をさせない1000人委員会」の活動に積極的に参加してきました。神奈川においても「戦争をさせないかながわの会」が発足し、神高教シニア運動も支える会に入会し、運動に参加してきました。
「6.26閣議決定阻止院内集会・官邸前抗議行動」など多くの国会前行動や「安倍政権の憲法破壊を許すな!7.3集会」、「憲法破壊を許すな!7.14国会前行動」、「ANTI WAR LIVE in Hibiya」(10/24)、「集団的自衛権にNO!10.26かながわ大集会」、「戦争させない・9条壊すな!11.11総がかり国会包囲行動」等に参加してきました。
 また、「2014憲法を考える5・3県民集会」、「第10回憲法集会(憲法を守るかながわの会主催)」(5/23)、「今こそ9条in川崎」(10/13)、憲法シンポジウム「精神科医が語る平和憲法」(10/17)、「2014憲法を考える11・3県民集会」「集団的自衛権のNO!2/21かながわ大集会」などに積極的に参加してきました。
 東電福島第一原発事故は、4年近く経った今でも収束せず、汚染水漏れなど放射能の被害は拡大しています。しかし、安倍政権は「原発は重要なベースロード電源」と位置づけ、原発推進政策に転換しています。再稼働反対のため「9.23さようなら原発★全国集会&大行進」、「ストップ川内原発再稼働!1・25全国集会」、「NO NUKES DAY 反原発統一行動〜福島を忘れるな!再稼働を許すな」(3/8)などに参加しました。
 昨年の沖縄県知事選挙、那覇市長選挙、衆議院総選挙小選挙区でも辺野古移設反対の意思を示した結果になりましたが、沖縄県民の民意を踏みにじり、政府は辺野古新基地の工事を進めています。こうした動きに対して私たちは様々な運動を行ってきました。とりわけ、本年1月25日の「沖縄の民意を無視するな!『辺野古に基地は作らせない』国会包囲ヒューマンチェーン」には十数名の会員が参加しました。

(2)年金・医療・介護の課題については、様々な場で引き続き取り組んできました。地公三単産(自治労、日教組、全水道)と地方公務員退職者協議会(自治退、日退教、都市退連、全水道退、都退協)の主催する「9.14高齢者集会」や新しい医療制度を早く作ることを求める「'14全国高齢者集会」(9/15)などに積極的に参加しました。
 こうした取り組みの中で、高齢期のくらしを心豊かで生き甲斐あるものにするために、年金・介護・医療制度などの改善をはじめ、高齢者福祉の拡充と日本の社会保障制度の改善をめざして運動を進めることの重要性を確認しました。

(3)県教委による実教出版「高校日本史」教科書の採択変更問題が起こっています。神奈川の教育問題や諸課題の取り組みについては、神高教第56次教研集会(11/30)や教育研究所・教育討論会(11/23)などに参加し、現職組合員との討論に参加しました。また、横浜および藤沢の教科書採択問題については、「藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会」「神奈川の教科書・採択問題にとりくむ会」等が主催する学習会に参加してきました。

(4)日本退職教職員協議会(略称:日退教、事務局長は竹田邦明氏)の第42回総会が6月14日に開催され、運動方針を確立しました。
 日退教関東地区連絡協議会の第37回定期総会(6/6)、「関東ブロック交流集会」(9/24)、五者(日教組・全国退女教・日退教・教職員共済生協・日本教職員相互共済会)合同学習会(10/16)、さらに組織活動交流集会(10/17)に参加し、他県の退職者組織と交流を深めました。日退教が呼びかけた「日退教連帯カンパ」には会員からのカンパ74,000円に26,000円を加えて10万円を寄付しました。日退教「生涯変わらぬ医療・生命保険」の紹介運動にも取り組みました。また「沖縄と連帯する日退教第5次沖縄交流団」「第1回東アジア海外研修旅行」に参加しました。 
 県内の退職者労働組合で組織されている神奈川シニア連合(幹事:中野渡強志氏)の第22回定期総会(11/26)で、神高教シニア運動の「東日本大震災で被災した小・中学生・高校生への支援」の取り組みを訴える機会を得ました。また、3.11震災現地への現地視察研修旅行(10/17〜18)、さらに神奈川シニア集会(3/20)に参加するなど、県内労働組合の退職者組織との交流を図ってきました。

(5)現職者への支援活動の取り組みについては、神高教の各支部や分会での教研活動に対して、今までの経験を生かしての講演およびワーキング等の講師登録を呼びかけたところ、現在14名の会員の登録があります。今後もそれぞれの要望に応えていくために多くの会員の登録が期待されます。

(6)再任用者などの取り組みについては、現職者の意向調査前に「再任用・臨任の課題」「こだわりのシニアライフ」の二つのテーマで交流会(9/27)を開催し、30名の参加がありました。再任用・臨任を希望する場合は勤務形態と自分のライフスタイルに従ってしっかりと選択する必要があると参加者同士で確認しました。今後、引き続き神高教とともに、賃金、持ち時間など労働条件の課題に取りくむ必要があります。

(7)若者支援については、様々な困難を抱えている生徒・若者に対して手厚い支援ができる環境づくりを目指すための「生徒・若者支援センター」を、神高教が中心となり、昨年8月29日に立ち上げました。神高教シニア運動も団体会員となり、個人会員の呼びかけや運営委員としての参加など積極的に関わってきました。
 「高校生平和大使」派遣運動への協力の取り組みについては、カンパ活動を中心に取り組みました。この運動は、2005年より長崎の市民団体が中心となって、高校生を平和大使として国連欧州本部に派遣しているものです。昨年度は神奈川から選出された第17代高校生平和大使の伊藤友香さん(国際基督教大学高等学校3年)と、上島葵さん(神奈川県立相模原中等教育学校4年)を含む20人が、スイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪れ、この1年で集めた核廃絶を求める13万人分の署名を、マークライム軍縮会議事務局次長に手渡しました。シニア運動会員からのカンパ64,000円に36,000円を加えて「高校生平和大使・神奈川実行委員会」に10万円を寄付しました。

(8)地方自治、市民運動を担うことをめざす取り組みについては、神奈川労働相談ネットワーク(事務局次長:山際正道氏)に参加してきました。なお、神奈川労働相談ネットワークは神高教、国労、自治労などの県内労組と労災職業病センター、神奈川ユニオン協議会などで構成されております。
 また、県内の教育支援や東日本大震災の各種ボランティア組織を会報・ホームページなどで紹介し、募集案内に取り組んできました。

(9) 東日本大震災で被災した小・中・高校生への支援を行う行動については、山際正道幹事が代表である「福島子ども・こらっせ神奈川」、早川芳夫表が所属している「福島の子どもたちとともに川崎市民の会」などが、放射線被爆を減らすために野外活動が難しい福島の子どもたちを宿泊研修として受け入れてきました。神高教シニア運動は、それぞれの団体に5万円ずつカンパするなどして協力しました。

3.「シニア運動」活動交流を進める取り組みについて
              
(1)「かながわ中央メーデー」、「かながわ地域労働運動交流メーデー」さらに「神高教教研集会」など神高教の運動に参加するなど、神高教や教育研究所の活動に積極的に参加し、現役世代との交流を深めてきました。

(2)ホームページに記載された案内を見て各種要請行動に参加する会員が増えてきました。積極的な利用を推進するために「掲示板」コーナーも開設してきましたが、まだ十分な活用にはなっていません。
 現役50歳代を対象にした「神高教ライフプランセミナー」に参加し、第1回(7/26)は年金・再任用のテーマでシニア運動からは退職後の様々な生活の紹介をしました。第2回(9/13)は遺産相続・介護をテーマに、シニア運動から介護の体験を報告しました。現職者を交えての交流会(9/27)は6回目となり、10名の現職者も参加し退職後の様々な生活スタイルについて話し合い、会員の交流を図りました。また2015年1月24日に開催された「神高教退職予定者説明会」で、シニア運動から「家計からみたあるシニアライフ」というテーマで報告し、参加者から好評を得ました。さらに退職1年目のシニア会員を対象に「税務説明会」(2/7)が行われ、税理士の説明のもと、シニア役員が参加して確定申告の書き方のサポートを行いました。2014年3月31日に開催された神高教退職記念パーティーで「神高教シニア運動」への参加についてアピールしました。

(3) 運動活性化に向けての研究会・同好会については、一昨年ゴルフ同好会が開設され、昨年は交流会(2回)を実施しました。今後の発展と新しい会の設立が期待されます。



  2015年度の運動方針(案)
  
1.組織拡大・充実、組織体制の整備をめざす。

(1)既退職者への加入の働きかけを行う。
(2)事務局体制の強化をはかり、会報発行など教宣活動に取り組む。
(3)運営資金をまかなうため、会員からの任意カンパ活動を行う。

2.神高教・上部団体の活動方針を踏まえて諸活動に取り組む。

(1)特定秘密保護法の撤回、日米ガイドラインの再改訂や「戦争法」の改定など安倍政権の憲法破壊を阻止する運動を積極的に行う。
   沖縄辺野古に新基地をつくらせない闘いに取り組む。
   原発の再稼働・輸出を許さず、脱原発社会を実現するために様々な運動を展開する。
(2)年金・医療・介護などの諸課題解決に向けて取り組む。
  後期高齢者医療制度の廃止をめざす。
  老後に安心して生活できる年金制度の創設を要求するとともに公的年金控除・老年者控除の復元を求める。
(3)権力からの教育統制が強められる中で、神奈川の教育の諸課題の解決に向けて取り組む。また、選挙権が18歳に引き下げられたことにかかわっ て課題・問題点について神高教とともに学習会などに取り組む。
(4)日退教(日教組退職者会)・神奈川シニア連合(県内労働組合退職者会)などとともに諸課題に取り組む。
(5)現職者への支援活動として、講師登録など様々な取り組みをすすめる。
(6)非常勤公務員の権利拡大に取り組む。
   とくに、再任用・退職者臨任等の実態を把握し、労働条件等の改善について神高教とともに取り組む。
(7)次世代を担う若者の運動を支援する。
  「生徒・若者支援センター」の取り組みに積極的に参加する。
   また「高校生平和大使」の運動に協力する。
(8)地方自治、市民運動を担う取り組みを推進する。
 「神奈川労働相談ネットワーク」の活動に参加するとともに、外部のボランティア組織を紹介し、募集・派遣などコーディネイトする。
また、市民団体・生協・労働組合が集まり、生活者の立場から地域社会の在り方を問い続けている「県民のいのちとくらしを守る共同行動委員会 (略称:いのくら)」の活動に参加する。
(9)東日本大震災で被災した小・中学生・高校生への支援を行う。

3.「シニア運動」活動交流を進める。

(1)神高教の活動に可能なところから積極的に参加し、現役世代との交流を深める。
(2)ホームぺージの利用や各種交流会を開催し、会員同士の交流を深める。
(3)運動の活性化に向けて研究会や同好会の新規開設をめざす。
2014年度決算
収入
項目 予算 決算 備考
繰越金 1,145,494 1,145,494
神高教よりの支援金 714,000 714,000 238人@3,000
会員負担金(カンパ) 250,000 148,870 日退教カンパ 74,000
高校生平和大使カンパ 64,000
その他 10,870
上部団体等からの返戻金 400,000 694,720 日退教より 61,720
神高教より 633,000
広告・事務経費 500,000 656,315 高校生命共済事務 100,000
フジダナサービス 531,395
送料補助  24,920 
その他 40,000 40,120 お祝い 40,000
利息・その他  120                      
合計 3,049,494 3,399,519
支出
項目 予算 決算 備考
活動費 1,200,000 1,207,764 封筒・ハガキ 186,784
会報等送料  415,658
会報印刷代  200,740
総会・交流会  60,137
図書カードその他   206,980
ホームページ  6,465
上部団体要請行動補助 131,000
             
事務局費 600,000 776,459 事務局旅費・行動費            
分担金 100,000 105,350 日退教   64,350
日退教関ブロ 10,000
神奈川シニア連合 15,000
生徒若者支援センター 10,000
戦争をさせないかながわの会 6,000
他団体・運動カンパ 300,000 300,000 高校生平和大使  100,000
福島こども・こらっせ神奈川 50,000
福島の子どもたちともに川崎市民の会 50,000
日退教連帯カンパ 100,000
その他 20,000 6,100 振り込み手数料 3,600
パンフレット 2,500
予備費 829,494 1,003,846 次年度へ繰り越し
合計 3,049,494 3,399,519
監査報告
通帳および会計書類を監査した結果間違いありません
2015.4.17 会計監査
2015年度予算
収入
項目 前年度決算 15年度 備考
前年度から繰り越し 1,145,494 1,003,846
神高教よりの支援金 714,000 648,000 216人@3,000
会員負担金(カンパ) 148,870 150,000
上部団体等からの返戻金 694,720 800,000 日退教・神高教からの行動補助
広告・事務手数料 656,315 500,000
その他 40,120 40,000 利息等
合計 3,399,519 3,141,846
支出
項目 前年度決算 15年度 備考
活動費 1,207,764 1,400,000 封筒・ハガキ、 会報等送料、会報印刷代、総会・交流会、図書カード、ホームページ、同好会・研究会補助等
事務局費 776,459 800,000 事務局旅費・行動費
分担金 105,350 110,000 日退教、日退教関ブロ、
神奈川シニア連合 その他
他団体・運動カンパ 300,000 260,000 高校生平和大使派遣補助等
その他 6,100 4,000 振込手数料、事務用品
予備費 1,003,846 567,846
合計 3,399,519 3,141,846
             神高教シニア運動 第10回定期総会宣言(案)
 私たちは、本日第10回定期総会を開催し、本年度の運動方針を決定した。
 昨年7月、安倍内閣が集団的自衛権行使を容認する閣議決定を行い、現在、集団的自衛権行使を可能とするための関連法案を閣議決定し、国会で審議が進められている。法案が可決されてしまえば、憲法九条によって守られてきた「戦争を放棄した平和国家」が、「戦争をする国」へと大転換することとなる。また、安倍首相は、来年の参議院選挙後の改憲発議を明らかにし、憲法調査会での議論を進めている。同時に、特定秘密保護法制定に続いて、盗聴法の改悪を進めようとしているように、戦争を可能とする準備法案を次々に国会で成立させようとしている。この様に「戦争をする国」作りを通して、国民主権、民主主義すらも危機的状況を迎えている。それは、辺野古問題を見れば明らかである。三たび沖縄県民が国に対して「NO!」を突きつけたにもかかわらず、民意を無視し「攻撃用の軍事基地」作りに突き進んでいる姿勢は、憲法無視、憲法破壊以外の何物でもない。さらに、米軍は事故率の高いオスプレイを横田基地に配備し、厚木飛行場と一体的に運用しようとしている。
また、安倍内閣は、教育に直接政治が介入する道を開くための教育委員会制度を根本的に変え、今年4月に施行した。政府見解と異なる内容の記載は認めないなど、教科書の実質国定化も進められている。昨年、日の丸・君が代強制を巡る事実を記載した「実教出版日本史教科書」を、高校が希望したにもかかわらず、教育委員会が介入し不採用とした。中学では、横浜・藤沢市などで国家主義的内容に満ちた育鵬社教科書が採択され、現在使用されている。このような教育の国家支配の動きと、特定秘密保護法の施行、メディア支配の強化などと併せて考える時、国のために一身を投げ出すような国民作りを進めようとしていることは明らかである。
一方、安倍内閣は、国民の景気回復への期待を利用し、「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざし、「過労死」法案と呼ばれる「ホワイトカラー・エグゼンプション」を閣議決定し、さらに、労働者派遣法の改悪、解雇自由化など労働法制の大改悪を行おうとしている。まさに、「労働者奴隷化法案」と言わなければならない。
「アベノミクス」は、国債の大量発行、意図的な株価操作、作られた円安により利益を得ている一部大企業の賃上げなどにより景気回復を演出しているだけである。株価引き上げのために、年金原資を不安定な「株」に50%まで運用を認めるなど、消費税引き上げ、年金減額、介護保険料や健康保険料の引き上げなどとともに、将来の年金制度に大きな不安を招来させている。また、生活の困窮度が増し、貧富の格差拡大を助長しているにもかかわらず、最後のセーフティーネットと言われる生活保護費にも攻撃が加えられている。
安倍首相は、福島第一原発事故は「完全に制御されている」と公言したが、その収束の目処は全く立たず、汚染水問題をはじめ日々深刻さを深めている。放射能による子どもたちへの健康被害については、政府、行政、原子力ムラの御用学者たちは、すべて「風評」で片付けようとしている。そのような状況にありながら、政府は原発事故などなかったかのように、原発は重要なベースロード電源と再度位置づけ、再稼働を進め、原発新設・輸出さえ進めようとしている。私たちは、原子力が人類にとって制御不能なものであり、核開発に直結する危険なものであることを考える時、脱原発の運動を一層進めなければならない。そのような中で、4月福井地裁は、原子力規制委員会が審査の合格を出したことを強く批判し、大飯原発の再稼働の差し止め請求を認めた。一方、川内原発は差し止めが却下され、多くの不安を抱えたまま再稼働されようとしている。
神高教シニア運動に結集する私たちは、このような情勢に対し現職組合と一体となって、「教え子を再び戦場に送らない」ために、最大限の力を結集して、運動に取り組むことを確認する。                         
2015年6月6日                        神奈川県高等学校教職員組合シニア運動
第10回定期総会参加者一同